君色の空
――亜美――


そろそろ、夕方時かなあ…



「あ、蓮、私そろそろ帰るね…。

退院、明日でしょ?明日は、タクシー呼んでおくからね。蓮、また明日ね!」

私は、荷物をまとめながら、そう蓮に言った。



蓮………


あなたはどうして…


「行くな……亜美…。」

私にそう言ったの…?



「えっ………何言ってるの蓮…



また明日来るじゃない…子供みたいにワガママ言わないでよ、もう18でしょ!!」

そう私はおどけながら言った。


「…ゴメン…


お前の事、覚えてなくてゴメン…



けど、俺……

俺は…亜美、お前に行ってほしくないんだ…

ずっと傍にいて欲しい…

今無性にその気持ちだけが強くて…ホント、困っちゃうよな…」

「…っ…」

「亜美……?」


私は、泣いていた…





蓮に、全然記憶がなくても、私にそう言ってくれてるんだって思ったら…



泣けてきたの…


嬉しくて、嬉しすぎて……



蓮の事がまた好きになったよ…。


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