君色の空
『別れてから、間もなくしてママは病院から退院した…そして、程なくして蓮はバイク転倒して記憶喪失になってしまったの……。


ママは凄く悲しかった…別れていたとはいえ、今までの思い出も…全部失くしてしまったのだから…。



そして、蓮は記憶喪失になってもママを好きになってくれた…。


記憶が戻らないまま、ママと蓮は同棲を始めた…


同棲を始めてから半年ちょっと経った時…


蓮はようやく記憶を取り戻した…



そして、もう一つ幸せなことがあった…


それが、夢空…あなただった…。


ママと、蓮は結婚をした…授かり婚だった…。



…そして、夢空が2歳になる前に、ママは子宮に


悪性の腫瘍ができたの。



…医師からは、もってあと2、3ヶ月だろうと言われた…。



そして、宣告を受けてから、一番に浮かんだのは、他でもなく、夢空と蓮だった…。





…そして、このビデオテープを作ることを思いついた。



それから、ママは夢空の2歳の誕生日を見ることなく、死んだの…


今は、生きているけれど、そのうち……。


…夢空…


あなたは…しっかり生きて…。

20歳のあなたに、教える事は沢山あるけれど、でも…今伝えたい事はそれだけ。


疲れたからもうビデオテープを終わりにするわね。


…最後に…



夢空、ママはいつまでも…愛しています…』



「…っ……ママ…っ…ママぁ…っ…」



20歳のビデオテープは



ママの、最期の愛の言葉…だった。




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