君色の空
「亜美……」


俺は木村・蓮。


現在42歳のもうええ歳したおっさんや。



そんな俺にも…


人生の中で一人だけやけど…



本気の本気で恋をした…


いや、本気で愛した女がおった。



そいつの名前は、花園亜美…、享年 19歳。


亜美の年は何年経っても変わらへんのに


俺の年は年々増していくんや…。



…生きとし生けるもの…


最後は全員死ぬ…



そんなこと、分ってた筈やのに…



それやのに、俺はあれから20年たった今でも



こうして亜美が居るであろう空に向かって…



よく話をするんや…。



夢空が3歳の時に建てた念願のマイホームは


今では俺と夢空そして…


夢空の未来の夫とともに暮らしている家になった…


勿論、亜美の部屋もちゃんと作ってもらった。


その部屋はどの部屋よりも広くとってもらって


12畳のフローリングの部屋。



亜美の好きそうな家具を買い揃え、飾っている。



一目みたところでは、今はもう居ない人の部屋じゃないかのような整理整頓された部屋…




そこには、俺の哀しみと亜美の愛が詰まってた。



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