あの日の夢をつかまえて

連絡先を交換して。

メッセージでやり取りをするようになって。

そのうち週末に会うようになって。



『好きです。キミの恋人になりたい』



みぃくんがそう言ってくれた時。

嬉しくてたまらなくなって。

返事より先に、思わず抱きしめてしまった。






(あれから2年、かぁ)



リビングのテーブルに置いていたスマートフォンを手に取る。

メッセージは何も届いていない。

もう数日が経てば、みぃくんの戦いの日が来る。



「勝ってね、みぃくん」



真っ暗になった画面に、祈るように呟いた。






数日後。

私はみぃくんから呼び出されて。

久しぶりにみぃくんの部屋にいる。



テーブルの上にはみぃくんが用意してくれた、冷たい麦茶が入ったガラスコップが2つ。

私達はいつものように並んで座って、しばらく麦茶にプカプカ浮いている氷を見ていた。



「香夜ちゃん」



言いにくそうに、みぃくんがうつむいた。

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