あの日の夢をつかまえて
「でも……、オレが行ったらガッカリされると思うよ」
意外な言葉が返ってきたので、
「どういうこと?」
と、みぃくんの顔をのぞきこむ。
「こんな弱い、負け続けていたオレなんか……」
うつむくみぃくんの背中を、バシッと叩いてしまった。
「痛て」
驚いた顔を見せるみぃくんに、
「みぃくんはヒーローだよ!努力のヒーロー!!ヒーローがそんなこと言っちゃダメ!!」
と、私は両手を腰に当てた。
「ヒーロー?」
「そう、ヒーロー!!私にとっては正義の味方よりも何よりも、みぃくんこそがヒーローなの!!」
みぃくんが目を大きくして、
「そんな……、自信満々に言われると照れるから」
と言った。
みぃくんの耳が赤く染まっていく。
首元まで真っ赤。
思わず背伸びをしてみぃくんの頬にキスをした。
「わ!」
突然だったからみぃくんは驚く。
「香夜ちゃん、余計に照れるから!」