あの日の夢をつかまえて
「3手詰めも、もちろんあるよ。ちなみに3手詰めの問題なのに、5手で詰ませても不正解だからね。ちゃんと手順は決まってるから」
「そうなんだ……」
「香夜ちゃんの質問だけど、1手詰めがあるよ」
「詰め将棋って難しそうだね」
思わず本音が出た。
みぃくんはそんな私に、
「気楽にトライしてほしいけどな」
と、苦笑した。
それから、
「詰め将棋の問題集なんかもあるよ」
と、目を輝かせた。
(みぃくんってば、嬉しそうな顔してる)
本当に将棋が好きなんだなぁ。
そういえばみぃくんと将棋そのものについて話すことって、今までにそんなになかったかもしれない。
みぃくんにとって、将棋は「お仕事」だし。
私といる時くらいは、「お仕事」を忘れてほしいと思っていたから。
でも。
「お仕事」だけど。
みぃくんには、「好きなこと」でもあるんだった。