朝、キスして。

本当に最悪……。


シャツを脱いでいたり、ズボンを下ろしている最中だったり。

男子の裸体もパンツも、がっつり見てしまった。


それどころか、入口にいた何人かの男子とは目まで合った。

今頃、痴女って言われてるよ、絶対。


しかも、私の体育着は教室の中。

着がえが終わるまで取れないから完全に遅刻……。


恥ずかしさやら遅刻確定へのショックやらで、穴があったら入りたい気分。


────ガラガラ。


それでもかろうじて、背にしていたドアの開く音をキャッチした。

すぐあとには私を呼ぶ声が。


「有咲」

「……、っ!?」


声だけでその人物が誰かわかっていたのに……。

振り返って、思わず二度見。

ドアを開けたのはやっぱり瞬だったけど……。


腰より上を占める肌色の率。

なぜか、制服のズボンに上半身裸という姿で現れた!


私は、磁石に弾かれたみたいに顔を逸らす。

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