朝、キスして。

ああ、そっか……。


『たかが幼なじみ』と片づけられて、傷ついて。

私は、“幼なじみ”にしがみつこうとしているのだと思っていた。


──違った。


本当は……。

本当にしがみつこうとしていたのは、“瞬自身に”だ。


欲しいのは幼なじみという関係じゃない。

幼なじみじゃなくていいから──瞬が欲しい。


今なら聞きたい。


『それは……幼なじみっていう意味で?』

『違う』


その先の言葉。


また関係が変わることに怖れて、臆病になっていたけれど。

“関係ない”よりも“怖くない”。

自分に言い聞かせるなら、せめて自分を奮い立たせられる言葉にしよう。


私は瞬のことが────。


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