朝、キスして。

例えば、私がクラスの中心的な立場で。

まとめ上手だから有咲さんがいいです!

と思われて推薦されたならまだいい。


だけど、私は中心じゃないし……。どちらかといえば嫌われている方。


好きな人に尽くす私。

それを彼女たちは“媚びを売ってる”と捉えたらしい。

陰で「ぶりっ子」と言っているのを、私は知っている。


……なるほど。

私は学級委員を押しつけられたのか。

ようやく彼女たちの魂胆を理解。


「……っ、や」


やります。

そう答えようとしたときだった。


「俺やります」


後ろから声が貫いた。


すぐ後ろ……。

振り返れば、瞬が手を上げている。


その顔にはいつもの笑顔がなく、ちょっとだけ不機嫌…?


瞬が立候補したことで、私を学級委員に仕立てようとした女子たちがざわざわし始める。

えっ、そんなはずじゃなかったのに……とでも言いたげに。


……、はっ!!


「私がやります…っ!」


ハッとしてすかさず口を挟む。

< 15 / 343 >

この作品をシェア

pagetop