朝、キスして。
例えば、私がクラスの中心的な立場で。
まとめ上手だから有咲さんがいいです!
と思われて推薦されたならまだいい。
だけど、私は中心じゃないし……。どちらかといえば嫌われている方。
好きな人に尽くす私。
それを彼女たちは“媚びを売ってる”と捉えたらしい。
陰で「ぶりっ子」と言っているのを、私は知っている。
……なるほど。
私は学級委員を押しつけられたのか。
ようやく彼女たちの魂胆を理解。
「……っ、や」
やります。
そう答えようとしたときだった。
「俺やります」
後ろから声が貫いた。
すぐ後ろ……。
振り返れば、瞬が手を上げている。
その顔にはいつもの笑顔がなく、ちょっとだけ不機嫌…?
瞬が立候補したことで、私を学級委員に仕立てようとした女子たちがざわざわし始める。
えっ、そんなはずじゃなかったのに……とでも言いたげに。
……、はっ!!
「私がやります…っ!」
ハッとしてすかさず口を挟む。