朝、キスして。
『誰も捕まんなくてさ。直前に誘って捕まるの、幼なじみのおまえしかいないんだよ』
『彼女に頼めばいいじゃん』
2人が幼なじみだと、偶然知った。
そして……。
『俺が彼女に手出さないの知ってんだろ』
『元カノにリベンジポルノされかけたから、だっけ?』
『言うなよ。今でもぞっとする』
『なら懲りれば?』
『だからマジな女は避けて、適当な女を捕まえてんだろ』
肉体関係を持っていることも……。
森下とはグループで数回遊んだことがある程度の仲で、輝とは何度か話したことがある程度。
正直、よくは知らない。
ただ、輝が女関係にだらしないことや、それを男友達に自慢げに話す奴だという噂は聞いたことがある。
……あれ本当だったんだ。
こんな人気のない場所で会っているってことは、周りには隠しているのだろうか。
このことを有咲に話す──なんてできなくて。
俺は、陰から心配することしかできなかった。