朝、キスして。

瞬は信じてもらえるように、言葉にして伝えに来てくれたんだ。


信じたいと思える心をくれる。

それがわかれば、瞬の言葉も気持ちもすっと入ってくる。


瞬はパッと表情を変えて、


「つーわけで、『そういう目で見たことない』とか言って、すぐ答えを出すなよ」


いつもの調子でそう言った。

さらに、「俺はこれから頑張るんだから」と小さくつけ加える。


……本当だね。

瞬の言った通りだ。

言葉にしてないから伝わってない。


「いくら頑張ったって無意味だよ」

「ん?」

「……私、好きな人いるの」

「えっ……、マジ……?」


こくり頷くと、瞬は面持ちを神妙にした。

直球の言葉を投げない私が悪いけど、瞬って自分のことになると案外、察しが悪い。


「それは想定してなかったわ……」

「瞬が頑張ったところで私の気持ちは変わらない」


コロコロ変わる瞬の表情。

私がそう言うと、今度はむっとした。


「そんなのわからねぇじゃん」

「わかるよ。絶対変わらないから意味ない」

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