朝、キスして。
お店に着いて、通されたのは掘りごたつの個室。
初めて来たしゃぶしゃぶ屋さんだけど、安らぎを感じる和の内装で、全室個室だから落ち着きがある。
飲み物が運ばれて食事会がスタートした。
「聞いた?瞬と有咲、いま同じクラスなんだって」
口火を切ったのは、うちのママ。
それに対して、
「そうなの!?」とパパたちが大げさに驚く。
「私もこの前知ったの。しかも、2人で学級委員やってるんだって」
「学級委員!?有咲はまだしも、瞬が?」
「なんだよそれ。俺、わりとそういうの得意だよ?」
「えー、どうだか。……そうなの?」
疑いの目を向けたまま、瞬パパが私に訊いてくる。
「うん、まあ……まとめるのはうまいかな」
「“まとめるのは”ってなんだよ。それじゃあ、他がダメみたいじゃん」
「ダメダメじゃん」
「おいこら」
会議があるのを忘れてたり、点呼取りを面倒くさがったり。
委員会を決めたときの提出用紙。
『俺が出しに行く』って私から奪ったくせに、結局出し忘れて、私が先生から「まだか」と催促されたんだから!