朝、キスして。
*EP.08おまけ*
渡辺家食事会後。
「俺らは先に帰ってるよ」
「はーい。気をつけてねー」
家で飲みなおすため、コンビニで追加のお酒を買うことにした親たち。
先に帰るという瞬と有咲の背中を見送りながら……。
「あれで隠してるつもりなのかね」
有咲のママがぽつり呟く。
4人の脳裏には同じ光景が映し出されていた。
『有咲、これ食った?』
『なにそれ?』
『つみれ。なんこつが入ってて美味いよ』
『まだ食べてない……!』
『はい』
『ん。ほんとだ!美味しい!』
『だろ?』
たとえ昔から仲が良いとしても、それらの言動を“幼なじみだから”という理由では済まさない。
親として子どもたちの空気感の違いを察していた。
「わかりやすすぎ」
と有咲ママ。
「どうりで瞬が浮かれていると思ったよ」
と瞬ママ。
「ちょっと複雑だけど」
と有咲パパ。
「しばらくは見守りますか」
と瞬パパ。
親たちにはバレバレだった。