朝、キスして。
欲しそうにしていたゲームソフトを、バレンタインのチョコと一緒にプレゼントしたのが嫌だった?
女友達と遊ぶって言われたとき、止めなかった。ただの友達付き合いだって言うから。
本当は引き止めてほしかったの?
毎日必死だった。
遊ぶお金を貯めて。
補習とかで時間が無駄にならないように勉強して。
隣に並んでも恥ずかしいと思われないようにオシャレを学んで。
時間も想いも……全部彼氏に捧げた。
だって好きだから。
好きな人には尽くしたいって思うでしょ。
一方的に別れを切りだした彼氏は、背中を見せて去っていった。
後を追うこともせず、ただぼーっと見ている私。
こういう結末になることをなんとなく察していたのかな。
ぽっかり穴が開いた感じはするけど、涙は出ない。
「はぁ……」
とため息をひとつ、ついたときだった。
「あ、おい……!バカ……っ」
後ろから声がした。