朝、キスして。

「……それで、心が狭い自分が嫌になって」


私の身勝手な事情なのに、ハルくんは顔色ひとつ変えず、眉も動かさず真剣に聞いてくれた。

話し終わって、改めて思う。


「はぁ……。本当に最低だよね。やきもち妬いて、心にもないこと言って、気持ちを誤魔化して。……ごめんね、こんな情けない話を聞かせて」

「別にいいよ。話し相手になるって言ったのは俺だし」


話し相手……?

……ああ、そういえば!


「そんなこと言われたね」

「それに俺は、情けないとも最低だとも思わない」

「どうして……?」

「誰にでもある感情だと思うし、それだけ瞬が好きってことだろ?」


え、なに……すごい全肯定してくれるんだけど。

前世に私に命でも救われたの?ってくらい。


“イケメン”“クール”“優しい”

その他に“カウンセラー”属性まで身につけているとは……!


「ありがとう」

「……でもこの話、修行するより瞬に話したほうがいい気がするけど」

「うん……。でも……、瞬にはできない、かな。……なんでだろ。ハルくんにはできるんだけどなぁ」


泣きたい気分でもないのに、なぜか目頭に熱いものが集まる感じがして俯く。

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