朝、キスして。

ハルくんに話すくらいなら直接、本人に──瞬にした方がいいってわかってる。

でも、ハルくんにできて瞬には話せない、この微妙な乙女心。

言えないよ、こんなこと……。

面倒くさいって思われたらいやだもん。


すると、俯く私の頭に何かが乗っかった。


「っ!」


唐突な感触に、身体がぴくっと反応。

思わず上げた視線が、ハルくんのまっすぐな瞳とぶつかる。


その何かは顔を上げる前からわかっていた。


ハルくんの手だ。


まるで小さい子をあやすみたいに、私の頭に触れている。


「……」

「……」


目が合ったまま、なぜか沈黙。

…………えーっと……。


「ハルくん……?」


控えめに呼びかけると、ハルくんははっとしたように目を開いて……。

ぐしゃぐしゃと乱暴に撫でてきた。

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