朝、キスして。

「え、えっ!?」


予測不能な行動にびっくり。

驚きがそのまま声に乗った。


じっと見つめられたかと思えば、急に頭を撫でられて。

撫でられたって言うと柔らかい感じがするけど、実際は髪をかき乱されるくらいの強さ。

急転直下の静と動の行動に驚くなって方が無理だよ。


しかも──


「そういう顔、あまり男の前で見せないほうがいい」


ふいっと顔を背けたハルくん。

なんだか、誤魔化してるみたい……。


「顔……?」

「もし有咲に気がある奴だったらつけ込まれるから」


ハルくんはそんな意味深な言葉を残して、去っていった。

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