朝、キスして。
「彼氏がいるのはわかった……。それならせめて!友だちになってください!」
「はぁ?おまえな、告白しておいて男女の友情が成立すると、俺が認めるわけねぇだろ」
「僕のこと何も知らないでしょ?それなら友だちになって僕のことを」
「よしわかった、おまえの根性はわかった」
気がつけば、話はとんでもない方向に進んでいた。
告白されたはずの私は置いてけぼり。
「好きになっちゃったもんは仕方ねぇからいいけど、友だちになりてぇなら俺がなってやる」
「え、やだ」
「やだじゃねぇよ。話があるなら俺を通せ」
「……なんか彼氏っていうより、お父さんみたい」
むすっとぼそり呟いた彼の言葉──お父さんって……。
「……っあはは!お父さんだって!」
「ふふっ」
「笑うなよ!」
私と優雨ちゃんから同時に笑いが漏れた。