朝、キスして。

なにが起きてるかって……?

尻もちをつく瞬に私が覆いかぶさるように跨っている。


そして──


「あっ……いや……、これは…………」


バスタオルがはだけて、下着以外の遮へい物が何もない私の胸──に当たる生温かい何か。

ふにっと動いて……。


それが瞬の手だって気づくのに、かなりの時間を要した。


そして、気づいてしまったら身体中の体温がぶわっと顔にのぼって。



「……〜っ、バカアアアァァァ!!!」

「不可抗力だろっ!!!」



今までのやりとりがすべて無駄になった!

イヤじゃないとか言ったけど、こういう事故みたいなのはイヤ!

もうしばらく触らせてあげない!


どうやら私の不運は終わっていなかったみたいで、最後にとんでもない爆弾が待っていた。



──とこのとき思ったのだけれど。


本当の不運は、まだ落とされてすらいなかったらしい。


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