朝、キスして。
EP.12*言えないこと
私は思わず逃げ出していた。
なんでなんでなんで。
どうしよ……。
……どうして……っ。
処理しきれない想いが溢れ出る。
振り払うように走って走って走って……それでも全然止まってくれない。
優雨ちゃんの、時折見せるようになった寂しげな表情。
何かに悩んでいるようなぼーっとしている時間。
全部全部、もしかしたら……。
下駄箱にたどり着いた瞬間、足から力が抜けてへたり込む。
「ハァ、ハァ…………っ、………」
荒い息に咽ぶ。
苦しい。
呼吸がうまくできなくて、心も締めつけられて。
痛い。苦しい。