朝、キスして。

テストが終わるまでずっと心にとどめておけるのかな。

私ひとりの心にとどめておける程度の悩みなのかな。

無理なんじゃないかって思った。


彼の強引な優しさに触れて、一緒に悩んでって思ってしまったんだ。


だから私は、ハルくんの隣に少し距離を開けて座った。


「友だちって、なんだろうね」

「急に哲学的になった」

「うん、話の導入に困って……」


すぐに本題に入るにはまだ感情の整理ができていなかった。

余白がほしかった。


「いいよ、ゆっくりで」


ハルくんは時間を与えてくれた。


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