朝、キスして。
廊下の端っこに残された私と瞬。
立ち止まったまま。
なんて声をかけていいのかわからない。
でもこれは、私1人の問題じゃない。
私とハルくんだけの問題でもない。
「あのね、瞬……」
意を決して口を開く。
「私、ハルくんに告白された」
「うん」
「……驚かないの?」
「有咲は驚いた?」
「それはもちろん。全然気づかなかったから……」
瞬は「そっか」と、無理に作ったような笑みを口元に浮かべた。
瞬は気づいてたの?
だから、知っても受け入れられてるの?
すると、少し離れていた私たちの距離を瞬が埋めてきた。
ゆっくり近づいて……目の前で止まって……。
顔に影が落ちるくらいの近さで視線がぶつかったとき、瞬が突然、私の肩におでこを乗せてきた。
「ごめん有咲」