朝、キスして。

瞬を戸惑わせちゃっているのに、自力では涙を止められなくて。


「黙っててごめん。真っ先に瞬に話せなくてごめん。ううっ……情けなくて、ごめんねぇ」

「いいよ。謝らないで」


瞬に抱きしめられてもなお、溢れてこんがらがった気持ちを抑えられない。


「優雨ちゃんがしたことや優雨ちゃんの気持ちを、私の口から言うのはどうしてもイヤで。私は、好きになっちゃったものはしょうがないって思えないから、優雨ちゃんを責めて」


ちゃんと文として成り立っているのかわからない。

とにかく自分のなかの気持ちを単語に置きかえているだけだから、伝わっていないかもしれない。


「でも優雨ちゃんの辛い気持ちもわかるから、どうしたらいいかわからなくて……。瞬には何もなかったって思ってほしくて、言えなかった」

「うん、わかってる」


瞬の抱きしめる力が強くなった。


「俺もごめん。言えないことあるよな。なのに、無理に聞きだそうとして……。人の気も知らないでって感じだよな」


私は首を横に振る。


「本当に言えないこともあると思うけど、大抵のことは瞬に話せるんだよ、きっと。だから、これからはちゃんと話す」

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