朝、キスして。
「私は、看病でもなんでも瞬と一緒にいるだけで嬉しいの。だから後回しにして全然いい」
有咲は笑顔でそう答えた。
あー、くそ!キスしてぇ!
風邪引いてなかったら、押し倒して問答無用でキスしてた。
でも、熱を移したくねぇから……。
今日は絶対、我慢!
必要以上に接しないし、キスもしない!
──と俺は心のなかで誓ったのだけれど。
「私が食べさせてあげる。はい、あーん!」
「……っ」
「汗かいたよね。身体拭いてあげるよ」
「……大丈夫」
俺の意志に反して、有咲がすげぇ距離を詰めてくる!
おかしい。絶対おかしい。
もともと尽くすタイプではあるけど、何かおかしい。