朝、キスして。

ゴールでは森下さんと先生が待っていた。


「瞬!おかえり」

「これで4組は全員帰ってきたな」


ミッションクリアの証であるカードを先生に返し、私は何事もなかったかのように宿泊施設に戻る。


……よかった。

ゴールに着く前に手を離しておいて。

手を繋いでいるところを森下さんに見られたら大変だもんね。


うん、よかった。


そう心から安心しているはずなのに……。

無意識に握りしめた右手は、なぜか安心とは別に寂しさを残している。





EP.03へ続く

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