朝、キスして。
長期休暇のときは朝から晩まで一緒で、帰るのが面倒くさくなって泊まることもしばしば。
だから友達によく聞かれた。
『有咲は瞬くんが好きなの?』って。
それに対する私の答えはいつも同じ。
『大好きっ!』
幼なじみとして?
……ううん。ちゃんと男の子として好きだった。
一緒に居すぎて、いつからとか明確にはわからないけど。
周りが初恋の花を咲かせる頃にはもう、瞬を好きになっていた。
“大きくなったら瞬のお嫁さんになる”
と本気で思っていて。
それの何がやばいって、小5まで将来の夢に“瞬のお嫁さん”と記入していたこと。
消し去りたい記録。
でも……そんな幼なじみの関係が続いたのは、中学3年生まで。
中3の夏、私たちは過ちを犯した。
いつものように瞬の家に行った、夏の終わり。
私たちは幼なじみから男女へ……。
体を重ねた。
たった一度だけ。
それでも、私たちの関係を変えるには充分だった。
その日を境に私たちはお互いを避けるようになった。