朝、キスして。

ドクンドクンと音を立てる私の心臓。


び、びっくりしたぁ……。

キスのふりをされたときより鼓動を感じている。

それどころか、瞬と手を繋いだときよりもドキドキしてる。


だって……。


転びそうになったんだから!


いやぁ…本当に……一瞬、死を覚悟したね。

顔面から行くかと思ったよ。

あー…よかったー……。


ハルくんに抱き止められたことよりも、転びそうになったことにドキドキの私は、一部始終を目撃していたいくつもの目に気づかなかった。


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