朝、キスして。
*瞬Side*
食材を鍋に投入して炒め始める。
「瞬とハルと同じ班とか羨まし~」
「前世でどんな徳を積んだの?」
「ほらあたし、日頃の行いがいいからさっ」
優雨が調理を開始する中、女子が集まって森下を担ぎ上げる。
まず、炊飯担当の森下がなぜここにいるのか。
炊飯は別のところで作っているはずだけど?
そして、集まる女子たちは、自分の班はどうしたのか。
キャッキャと騒ぐ彼女らに割って入ったのは……。
「おい、おまえら!うるせぇよ。自分の班に戻れ」
さっきからイライラしていた吉田。
ついにイライラが限界突破した、という感じ。
ナイス!と心の声を上げるのは俺だけでなく、きっと隣で調理している班の奴らもだろう。
しかし、それで動かないのが群れ。
「はい、僻み~。自分の名前が出なかったからってうちらに当たるなよ」
「吉田ごときが口を挟まないで」
なんの落ち度もない吉田がそこまで言われるのは可哀想。
はぁ……。
無視しようかと思ったけど、さすがに黙っていられなくて。
口を挟もうかと思った……しかし。