朝、キスして。
EP.05*嫉妬で狂いそう
前回のあらすじ。
転びそうになったところ、ハルくんに助けられた私。
後ろから抱きしめられるように助けられてドッキドキ!
というのは嘘で、確かに後ろから抱き止められたけど、それに対してはドキドキしていない。
実は一部始終を、瞬や森下さん、クラスメイトの女子たちに見られていたらしいの。
それを知らない私は、呑気に楽しくお食事中。
──っていうのが、今現在。
外で食べるカレーは美味しいなぁ。
みんなで食べるカレーは美味しいなぁ。
……あーあ。
このまま平和に過ごせればよかったのになぁ……。
「昨日、ハルとキスしてたの有咲でしょ!」
森下さんの何気ないひと言で、私の気分は急転直下。
どん底まで突き落とされる。
……何気ない?
違う。この顔、確信犯だ。
妙にニヤついた笑顔。
あえて周りに聞かせるような大きな声。
6人1席のテーブルに班ごとに座って食べていたけど、その声は周りの人たちにも聞こえて……。
瞬間、視線がバッと向く。
どうやら森下さんは、私とハルくんをくっつける気でいるらしい。