死にたがりな君と僕。
「なんで、まだダメなの?」


「君が、本当に死のうと思ってないからだよ。」



彼女の返事は、返事になっていなくて。
でも、僕にはどうすることもできなかった。




そのまま季節はいくつも過ぎていき、気づけば3年の冬になっていた。



「ねぇ、僕、このままだと君と死ねなくなっちゃうよ。」



「まだ春があるよ。春になったら、一緒に死のう?」



彼女はそれだけ言うと、去ってしまった。

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