愛しの鳥籠〜完結篇〜
1.伴侶
「…ん、」
細やかな刺繍が施されたカーテンが自動で開き、そこから眩(まばゆ)い朝暘がわたしを容赦なく照らし、わたしは反射的にベッドに戻り身体を丸め顔をうずめた。
「ラン、朝だよ。起きてっ」
そんなわたしが被っていた布団をガバッと剥がしたのは、他の誰でもない。
わたしの愛しの『旦那様』
「んん〜、あと5分…」
「なに学生みたいなこと言ってるのっ!シャワー浴びておいで。30分後に朝食のルームサービス頼んだから部屋に来るよっ」
「えっっ!!??」
30分後に!?
カッと瞬時に覚醒したわたしは和風モダンに造られたキングサイズのベッドから飛び出すと、旦那様は途端に下手なイケメン俳優よりも整った顔の筋肉を緩ませ、
「いい眺め」
何かと思い、自分の姿を確認した。
「っっ!」
生まれたままの姿。だった…。
慌ててまたベッドに潜り、
「そこのソファーに掛けてあるバスローブ取って!」
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