愛しの鳥籠〜完結篇〜
「っ!」
突然、外と直結している鍵が開いた。
「ーーユキ?」
そこには、見るからによそ行きの格好をしたランがいた。
「ランっ!どうしてーーっ、」
「良かった、眼が覚めたのねっ!?」
「ーーえ?」
僕が問い詰めるより早くランはその美しい瞳をウルっと輝かせ、ワッと勢い良く抱き着いてきた。
「ラン?一体どうしたというんだ?」
「取り敢えずリビングに行きましょう。話はそこで。ユキ、喉渇いてるよね?いま暖かい蜂蜜レモンを用意するわ」
「あ、」
確かに喉が異様に渇いている。声を発するとヒリリと痛みが走る程に。
全てがおかしいのに、頭がまだ上手く回らない。
ランに促されるままにリビングに戻り、ランはそのままキッチンに向かうと、程なくして蜂蜜レモンが入ったマグカップをふたつ持って来た。