愛しの鳥籠〜完結篇〜
真っ赤であろう顔で旦那様に強めのお願いをすると、旦那様はニヤリと悪戯っ子のように笑い、その双眸を光らせ、
「『おはようございます。わたしの愛しの旦那様』って言ってくれたら取ってあげる」
「なっ、」
「さぁ、言って…?ラン」
一歩、また一歩とわたしに近付いて、ベッドに腰掛けると旦那様はグッと上半身をわたしの方に傾けて、そのしなやかな指でわたしの唇をなぞる。
「…言って?」
こっちが恥ずかしくて堪らなくなるほどの色気を纏った旦那様がどんどんと迫ってくる。
「っ、お、おはようございます、わたしの、い、愛しい、だ、だん、旦那様っ」
「はい、よく言えました」
この状況が色々と恥ずかしくて目を合わすことも出来ず、更にはこれでもかとしどろもどろになったのに、旦那様はとても満足そうに微笑むと、わたしの唇にふわりと自身のそれを重ねた。