愛しの鳥籠〜完結篇〜
「っ、」
どこかぼんやりとそのキスを受け入れていると、旦那様の冷たい手が背中を撫で、思わずゾクゾクきてしまう。
「…ラン。愛している。僕の、僕だけの可愛い花嫁」
「…ぁ、」
旦那様の手が背中から胸へと…
「っ、『ユキ』ッ!意地悪もそこまでにしてっ!」
すんでのところで我に返ったわたしはピシャリと旦那様であるユキの手を払った。
「?何も意地悪なんてしてないけど」
いったい何をそんなに怒っているの?と首を傾げる姿も様になりすぎているけれど…。
「あと30分後にルームサービスの人が来るのでしょう!?」
わたしがキャンキャン吠えるとユキは「あぁ」と何か良からぬ事を考えている時に見せる悪い笑顔で、
「そんなの、見せつけてやればいいじゃん」
そう言ったかと思うと再度わたしに迫ってくる。
そんなユキも、裸にバスローブ1枚という姿だ。