その騎士は優しい嘘をつく
「ハイナー。あの。これ。最後に。あなたが好きだと言っていたお菓子を、作ってみたの。本当は一緒に食べたかったのだけれど。好きでもない女からの贈り物で悪いのだけれど、その、よかったら、食べて欲しい。あなたのために作ったから」
「ああ。これは記念にもらっておく」
言うと、ハイナーは乱暴にそれを受け取り、アンネッテを拒絶するかのように背中を向けた。
それから三日後。アンネッテは魔導士団を休団し、さらにその二日後、ハイナーは遠征先へと旅立った。
「ああ。これは記念にもらっておく」
言うと、ハイナーは乱暴にそれを受け取り、アンネッテを拒絶するかのように背中を向けた。
それから三日後。アンネッテは魔導士団を休団し、さらにその二日後、ハイナーは遠征先へと旅立った。