その騎士は優しい嘘をつく
初めて彼女を紹介された日。アンネッテは恥ずかしそうに、ハイナーの顔を見ていた。大きな瞳で、じっと彼の顔を見つめていた。
ハイナーは、彼女が怖がっているのではないか、と思っていた。今まで出会ってきた女性がそうだったから。
恋の天使であるロルフの計らいで二人きりにされたとき、アンネッテはハイナーの頬にその手を伸ばしてきた。触れてもいいですか、と。
「君は、俺が怖くないのか?」
思わず、そう尋ねてしまった。
「はい。あなたがとても優しい方であることを知っていますから」
言い、アンネッテは傷痕に触れた。ヒンヤリとした彼女の手が、心地よかった。
「痛いですか? もしかしたら、この傷痕も治せるかもしれません。ただ、傷が深く日が経っているので、時間はかかるかもしれませんが」
アンネッテはその言葉を口にした。彼女は治癒魔法を得意とする魔導士。だが、その治癒魔法を使うたびに、彼女の体力は奪われていく。治癒院での勤務を終えた後、重そうに身体を引きずって歩いている彼女の姿を何度か目にしたことがある。
ハイナーは、彼女が怖がっているのではないか、と思っていた。今まで出会ってきた女性がそうだったから。
恋の天使であるロルフの計らいで二人きりにされたとき、アンネッテはハイナーの頬にその手を伸ばしてきた。触れてもいいですか、と。
「君は、俺が怖くないのか?」
思わず、そう尋ねてしまった。
「はい。あなたがとても優しい方であることを知っていますから」
言い、アンネッテは傷痕に触れた。ヒンヤリとした彼女の手が、心地よかった。
「痛いですか? もしかしたら、この傷痕も治せるかもしれません。ただ、傷が深く日が経っているので、時間はかかるかもしれませんが」
アンネッテはその言葉を口にした。彼女は治癒魔法を得意とする魔導士。だが、その治癒魔法を使うたびに、彼女の体力は奪われていく。治癒院での勤務を終えた後、重そうに身体を引きずって歩いている彼女の姿を何度か目にしたことがある。