その騎士は優しい嘘をつく
「男の子、だな。名前は?」

「ハイネス」
 また、恥ずかしそうにアンネッテは俯く。ハイナーとアンネッテの名前を足したような名前だ。
「勝手につけてしまって、ごめんなさい」

「いや、いい名前だ。抱いてもいいか?」

 アンネッテは黙って頷くと、腕の中にいた赤ん坊をハイナーの腕へ渡した。
「ちょうど首も据わり始めたところだから」

「ああ、ダメだ、緊張してしまう。俺が抱っこすると、潰しそうになってしまう」

 その言葉を耳にして、アンネッテはふふっと笑った。

「こうやって見ると、本当にそっくり」

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