その騎士は優しい嘘をつく
 ハイナーが自信をもって自分の子であると思えるほど、ハイネスはハイナーに似ていた。

「ハイちゃん、ハイちゃん」
 という女の子の声が聞こえてくる。

「こら、カローラ。今、お客さんが来てるから」
 という姉の声。

 その部屋の扉が開いたかと思うと、小さな女の子とアンネッテの姉の姿が現れた。

「ハイちゃん、ハイちゃん」
 と女の子はハイネスを抱いているハイナーに近寄ってくる。

「ハイちゃん、ねんね?」

「ああ、眠ってしまったようだな」
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