その騎士は優しい嘘をつく
 その日の夕飯は、アンネッテが準備した。その間、ハイナーはハイネスとカローラと遊んでいた。あまり子供と触れる機会のなかったハイナーは、最初はどうしたらいいかがわからなかったけれど、カローラの方からその拙い言葉でハイナーに話しかけてくれた。

「もう。これじゃ、どっちが遊んでもらっているかわからないじゃないの」
 とアンネッテが笑っていた。

 アンネッテが準備した夕飯は、とても美味しかった。温かい味で、食べていると心と身体が芯から温まるような味だった。

「美味しいな」

「もうね、アンネッテがここにきたときは酷いものだったのよ。よくあれで我慢していたわね、ハイナーさん」

 姉が豪快に笑う。

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