その騎士は優しい嘘をつく
 ハイナーが風呂からあがり部屋へと行くと、ハイネスがごくごくと勢いよく食事中だった。

「隣に座ってもいいか?」

 見てはいけないような気もするし、見ていたい気もする。だからここで彼女に拒絶されたら、その子の食事が終わるまでちょっと離れた場所で待っていようとも思っていた。

「ええ、もちろん」

 彼女の豊かな胸は、さらに豊かさを増したようにも見えた。

「この子ね。こうやって寝る前にたくさん飲むと、朝までぐっすりなの。そうするとね、おむつがパンパンになっていて、お布団まで漏れてしまうときがあるのよ」

 幸せそうに目を瞑りながら、一生懸命口元を動かしているハイネスを見ているハイナーは、ふと、自分が母親から言われたことを思い出した。

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