その騎士は優しい嘘をつく
「ハイネスとはこれからも一緒にいることができるし、ずっと家族三人一緒だ。だから、今晩だけは、ハイネスの母親をやめて、俺だけのアンネッテになって欲しい」
ハイナーが包み隠さず本心をさらけだすと、アンネッテはまたその白い頬を、花が色づくかのように紅色に染め上げた。
「ハイちゃん、ねんねのじかんよー」
と部屋の外から聞こえてきた。どうやら、カローラの寝る時間らしい。扉をコンコンコンと叩かれ、返事をすると姉の姿。
「ハイネス、預かるわよ」
という姉の顔はこれから起こることをお見通し、という顔。
「ほら、ね。子供の情操教育に悪いでしょう?」
そんなことを彼女の姉に言われてしまったら、アンネッテでなくても顔色が変わってしまう。
「じゃね、お姫様。おやすみなさい」
姉はすでに眠りこけているハイネスを片手で器用に抱き、空いている手でカローラの手を引いて部屋を出て行った。
ハイナーが包み隠さず本心をさらけだすと、アンネッテはまたその白い頬を、花が色づくかのように紅色に染め上げた。
「ハイちゃん、ねんねのじかんよー」
と部屋の外から聞こえてきた。どうやら、カローラの寝る時間らしい。扉をコンコンコンと叩かれ、返事をすると姉の姿。
「ハイネス、預かるわよ」
という姉の顔はこれから起こることをお見通し、という顔。
「ほら、ね。子供の情操教育に悪いでしょう?」
そんなことを彼女の姉に言われてしまったら、アンネッテでなくても顔色が変わってしまう。
「じゃね、お姫様。おやすみなさい」
姉はすでに眠りこけているハイネスを片手で器用に抱き、空いている手でカローラの手を引いて部屋を出て行った。