その騎士は優しい嘘をつく

愛し合う人

　アンネッテはそのままハイナーに横抱きにされて、寝台まで運ばれた。二人で寝るには充分な広さ。いつもここで、アンネッテとハイネスが寝ているらしい。
　ハイナーは壊れ物を扱うかのようにその寝台にアンネッテをおろした。仰向けのまま、ハイナーを見上げるアンネッテ。

　ぎしっと軋ませてハイナーも寝台にあがると、四つん這いになって彼女の顔を見下ろした。そして、ゆっくりと顔を近づける。
　宥めるように口づけをするハイナー。そして、それを受け入れるアンネッテ。
　口づけをしながらも、ハイナーの手は、彼女の首元を撫でまわし、鎖骨、それから胸の谷間へと進んでいく。
　もう片方の空いている手は、アンネッテの頬をしっかりと支えている。アンネッテは彼の頭の後ろに、もう離れたくないと両手を回した。

「ん」

　ハイナーは、巧みにアンネッテの唇を舐る。そして、離れたかと思うと、次は角度を変えて啄む。彼女の閉ざされた唇をこじ開けて、口内へと舌を忍び込ませた。余すことなくその口内を堪能した後、最後に彼女の上顎をその舌先で刺激をする。