空を跳ぶ足
「あの…金額はおいくらですか」

鼻すじも通っていて、よくみれば唇もふっくらしてキスしたら気持ち良さそう……

「……どうかしましたか」

「あっ、いいえ集金、お名前どうしますか」

「北崎でお願いします。金額は……」

「さっ……3000円です。半年分です」

慌てて名簿に目を落とす。北崎快とそう書いてあった。同居人はいないらしい。

ぐりぐりポールペンで名前を書きなぐり、領収書とお金を交換する。

うわー恥ずかしい。この人、めちゃくちゃイケメンさんじゃないか!イケメンなのにマネキン愛好家だなんて残念。

取り乱した私は挨拶もそこそこに北崎さんちを飛び出した。まだ心臓がドキドキしている。

イケメンだってオバチャンにバレたらどうなるんだろう。やっぱり行き遅れの女性とお見合いさせられるんだろうか……
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