婚約破棄された私は悪役令嬢に堕ちて慰謝料としてこの国を貰いました 〜冴えない地方令嬢の復讐劇〜
必死に私をイメチェンしてくれた。
おかげで、転生した気分ですわ。だって、以前の私はどこにもいないんですから。
長い黒髪は金髪にしてカールを巻いてくれた。
田舎メガネは深紅のカラーコンタクトに変える。
服は最新ファッションを取り入れ、コスメも流行りモノを使用。
まさに絶世の美女へと私は変身したのだ。
「いいわ、最高よ、アナタたち。約束通り、報酬を支払いましょう。一生遊べるだけのお金を用意するわ。で、も、この屋敷から出ることを一生禁止しますけどねっ」
見て、あの顔、絶望のどん底って感じ。いいわ、もっとその顔を私に見せてちょうだい。それでこそ、私の心が満たされるというモノよ。
彼らの部屋……そうね、せめて部屋ぐらいは用意してあげるとしますか。
「そんな怖がらないでね。レイチェルはそんな意地悪じゃない、よ? 豪勢な部屋を用意して、あ、げ、る」
「あ、あの……報酬はいらないので、家に帰してほしいのですが……」
「あら、つれないこと言うのね。いいわよ、それならそれで。それくらい、寛大なレイチェルは許しちゃうんだからっ」
次々に上がる歓喜の声。
まるで、地獄から解放されたようね。さて、彼らの望みを叶えて差し上げますか。
「ただし、無言の帰宅でよろしければですけど、ね。ハッサム、彼らはこの世界から旅立ちたいそうなので、協力してあげてね?」
「はっ、レイチェル様の仰せのままに」
私の指令で鞘から剣を抜くハッサム。
そのまま刃を彼らに向け切りかかろうとする。
恐怖がこの空間を支配し、彼らは蛇に睨まれた蛙ように動けない。私はただじっとその結末を見守ろうとした。
「お、お待ちください、レイチェル様。儂はレイチェル様のご褒美をお受けいたします。ですから、どうか、儂ひとりだけでもお助けください」
「ず、ずるいぞ。私もご褒美を受けますので!」
さて、どうしましょうかね。全員を助ける……というのもナンセンスですわ。でも、ただ殺すというのも面白味にかけますわね。
悩み抜くこと数分、私の頭に名案が浮かぶ。
それは──。
「いいですわよ。一度は拒絶されましたけれど、寛大なレイチェルが許してあげましょう。でも、何も罰がないのは秩序を乱すの。だ、か、ら、レイチェル好みの異性を連れてきた人だけ、許しちゃおうかなっ」
ざわめきが室内に巻き起こる。
そうよね、彼らにしてみたら、絶望から這い上がれるチャンスなんですもの。
「任せてくださいっ。必ずやレイチェル様のお目にかかる男性を連れてまいります」
「えぇ、期待、してるわよ? あっ、ひとつだけ、条件があるわ。もし、私の好みでなかったり、逃亡なんなんてしたら……一族全員処刑するからねっ」
あははは、見てよ、あの絶望に満ちた顔たち。最高よ、この地に君臨してるって、実感できるわ。進むも地獄、戻るも地獄とはまさにこのことね。
静寂が部屋を支配する中、私はさらなる絶望を彼らに与える。しかも、期限という手網で彼らの行動を制限すれば、私のため必死になるに違いないもの。
「期限は……三日ね。もぅ、レイチェルの優しさに感謝してよねっ」
「レイチェル様、明日から三日でよろしいでしょうか?」
「あら、レイチェルは冗談が嫌いなのよ。今から三日に決まってるわ」
すでに太陽は真上に来ている。
つまり、私への貢物は、実質二日半で届ける必要があるの。彼らに考える暇など与えない、私が与えるのは……私への忠誠心なのだから。
おかげで、転生した気分ですわ。だって、以前の私はどこにもいないんですから。
長い黒髪は金髪にしてカールを巻いてくれた。
田舎メガネは深紅のカラーコンタクトに変える。
服は最新ファッションを取り入れ、コスメも流行りモノを使用。
まさに絶世の美女へと私は変身したのだ。
「いいわ、最高よ、アナタたち。約束通り、報酬を支払いましょう。一生遊べるだけのお金を用意するわ。で、も、この屋敷から出ることを一生禁止しますけどねっ」
見て、あの顔、絶望のどん底って感じ。いいわ、もっとその顔を私に見せてちょうだい。それでこそ、私の心が満たされるというモノよ。
彼らの部屋……そうね、せめて部屋ぐらいは用意してあげるとしますか。
「そんな怖がらないでね。レイチェルはそんな意地悪じゃない、よ? 豪勢な部屋を用意して、あ、げ、る」
「あ、あの……報酬はいらないので、家に帰してほしいのですが……」
「あら、つれないこと言うのね。いいわよ、それならそれで。それくらい、寛大なレイチェルは許しちゃうんだからっ」
次々に上がる歓喜の声。
まるで、地獄から解放されたようね。さて、彼らの望みを叶えて差し上げますか。
「ただし、無言の帰宅でよろしければですけど、ね。ハッサム、彼らはこの世界から旅立ちたいそうなので、協力してあげてね?」
「はっ、レイチェル様の仰せのままに」
私の指令で鞘から剣を抜くハッサム。
そのまま刃を彼らに向け切りかかろうとする。
恐怖がこの空間を支配し、彼らは蛇に睨まれた蛙ように動けない。私はただじっとその結末を見守ろうとした。
「お、お待ちください、レイチェル様。儂はレイチェル様のご褒美をお受けいたします。ですから、どうか、儂ひとりだけでもお助けください」
「ず、ずるいぞ。私もご褒美を受けますので!」
さて、どうしましょうかね。全員を助ける……というのもナンセンスですわ。でも、ただ殺すというのも面白味にかけますわね。
悩み抜くこと数分、私の頭に名案が浮かぶ。
それは──。
「いいですわよ。一度は拒絶されましたけれど、寛大なレイチェルが許してあげましょう。でも、何も罰がないのは秩序を乱すの。だ、か、ら、レイチェル好みの異性を連れてきた人だけ、許しちゃおうかなっ」
ざわめきが室内に巻き起こる。
そうよね、彼らにしてみたら、絶望から這い上がれるチャンスなんですもの。
「任せてくださいっ。必ずやレイチェル様のお目にかかる男性を連れてまいります」
「えぇ、期待、してるわよ? あっ、ひとつだけ、条件があるわ。もし、私の好みでなかったり、逃亡なんなんてしたら……一族全員処刑するからねっ」
あははは、見てよ、あの絶望に満ちた顔たち。最高よ、この地に君臨してるって、実感できるわ。進むも地獄、戻るも地獄とはまさにこのことね。
静寂が部屋を支配する中、私はさらなる絶望を彼らに与える。しかも、期限という手網で彼らの行動を制限すれば、私のため必死になるに違いないもの。
「期限は……三日ね。もぅ、レイチェルの優しさに感謝してよねっ」
「レイチェル様、明日から三日でよろしいでしょうか?」
「あら、レイチェルは冗談が嫌いなのよ。今から三日に決まってるわ」
すでに太陽は真上に来ている。
つまり、私への貢物は、実質二日半で届ける必要があるの。彼らに考える暇など与えない、私が与えるのは……私への忠誠心なのだから。