最初で最後の恋をおしえて
寄せては返す刺激を逸らすために、足先でシーツを突っぱねて意識を逃す。どこかに力を入れていなければ、過ぎる刺激を耐えられない。
それなのに反応がいいところばかり、羽澄は執拗に触れる。
「大和さん。お願い、もう」
混濁していきそうな意識に、強い刺激が送り込まれる。
「ああっ。待って」
飛びそうな意識を手繰り寄せる。体を揺らしながらも、羽澄はゆっくりと動きを止めた。
「まだだよ。愛し合うのは、ここからが」
言葉を切り短い声を発し、羽澄は切なげに顔を歪める。
「まずいな。また紬希の気を失わせてしまいそうだ」
紬希は首を振る。体の奥が熱くて堪らない。少しの振動で、体が跳ねる。その度に羽澄は短い声を上げる。
「いい子だから、ジッとして」
眉根を寄せる羽澄の願いは、受け入れられそうにない。
「だって、ジッとしてられない」
体の奥が疼いて仕方がない。羽澄は紬希の手を自分の肩に回させて言う。
「爪を立ててもいいから、意識を保っていて」
ゆっくりと再開した刺激は、すぐにどうにかなってしまいそうなほど紬希には強くて、声を止められない。
「紬希っ」
名前を呼ばれ、強く体が揺さぶられた。体を突き抜ける刺激に、視界がぼやけていく。
「紬希。愛してる」
かすかに聞こえた気がして、応えたい気持ちとは裏腹に意識を手放していた。