最初で最後の恋をおしえて
羽澄side:不意打ちの威力
羽澄は紬希を駅まで送り届け、その後ろ姿を見送った。
「失敗したかな。俺」
顎をさすりながら、紬希が見えなくなるまで見続ける。
するとスマホが振動した。
見てみると、紬希からだった。
《バイバイしたばかりなのに、もう会いたくなっちゃった》
息を飲み、手にしていたスマホを危うく落としかける。
「ハハ。破壊力絶大」
スマホを握りしめ、髪をかき上げる。
「さて、どう返すのが正解かな」
珍しく心躍る気持ちをむず痒く思いながら、自分も自宅へ足を向けた。