最初で最後の恋をおしえて

 女子会参加からいく日か過ぎた頃。羽澄からメッセージが届いた。

《小学生の恋、再開しないの?》

 よくも悪くも戻った日常にかまけ、羽澄との関係性を見ないフリをしていた。

 久しぶりに、コーヒーショップで待ち合わせをする。

 カウンター席で待っていても、彼はなかなか現れない。

 窓の外も見飽きてきて、頬杖をついていると、目の前が真っ暗になった。

「だーれだ」

 かわいい悪戯は、穏やかな低い声のせいで、ドキドキと鼓動を速めさせる。

「羽澄さん?」

 疑問系で聞くと、「ブッブー」と羽澄らしからぬ擬音語に笑ってしまう。

「なにがおかしいの?」

 不服そうに聞かれ、ますます笑う。

「だって羽澄さん、かわいいです」

 目隠しをしている指先がわずかに反応して、「やっぱり羽澄さんでしょ?」と答えを重ねる。

「まあ、俺には違いないんだけどね」

 渋々手を外し、「そこは大和でしょう」と悪戯っぽく指摘される。

「えっ、あ、はい」
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