最初で最後の恋をおしえて
触れ方は控えめで優しくて、恥ずかしいのに、もどかしくて「やめないで」と縋りついた。
「かわいい。もっと声を聞かせて」
「やっ」
翻弄され、知らない感覚に堕ちていく。
何度も何度も焦らされ、自ら懇願する。
「もうお願い」
涙目で訴えているのに、もどかしい刺激ばかり与えられ、羽澄にしがみつく。
すると体の奥がカッと熱くなり、体をこわばらせた。
「大丈夫。力を抜いて」
熱かったのは一瞬で、再びもどかしい刺激を送り込まれ、体が疼く。
「お願い」
体をすり寄せると、体の奥が再び熱くなる。痛みよりも、じっとしていられない感覚が上回り、勝手に腰が振れる。
「ヤダ。怖い」
過ぎる刺激に涙がこぼれる。落ちていく涙にキスをする羽澄を見つめた。気づけばずっと目をつぶっていた。
切なく歪む羽澄の表情が視界に映り、胸が苦しい。
「紬希」
掠れた声を聞いたのを最後に、意識を手放した。