もう、キスだけじゃ足んない。


『……た、から』

「え?」


心の声なんて、自分で大きさを調整できるなんて思わなかったけど、思ったよりも小さかった……。


「はぁ……」


って!?


「なんでため息!?」


それからゆっくり体を起こした遥は私に跨ったまま、なぜか顔に片手を押さえて。


「だってさ、」

「う、うん?」

「かわいすぎだろ」

「はっ!?」


「ほんっと、俺のこと喜ばせる天才だよな。
いや、天才じゃなくて天使か」


「なっ、なにいって……」


遥の言葉についていけない。

え、ほんとにどうしたの。


天使?かわいい?

ま、まさか……。


「気持ちよかった」


「っ!!」


「気持ちよくて泣いちゃったんだろ、胡桃」
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