もう、キスだけじゃ足んない。


「ねえ、桃華」


「ん?」


「一つだけお願いあるんだけど、いい?」


「うん?なに?」


「ご主人様、私のこともらってくださいって言って」

「ばか……」


さっきからずっと爆発しそうだった。


こんなえろかわいいメイドさんの服着てもらってとか、言われるのもやばいんだけど、

泣いた顔もプラスされて、より背徳感がやばいというか、イケナイコトしてるみたいな気持ちになるっていうか……。


「杏も男だったんだね」

「桃華限定でね」


「もう、仕方ないなぁ……今日だけだよ?」

「うん」


ちょっと口をとがらせて、でもどこか嬉しそうに、俺の首に手を回すかわいい彼女と笑い合う。


ああっ、もう……ほんとにかわいい。



「あたしのこと……ぜんぶあげます、ご主人様」

「仰せのままに、お姫様」
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